カセットテープのデジタル化を自分で行うことの問題点

カセットテープのデジタル化を自分で行うことの問題点

カセットテープのデジタル化は、業者にお金を払って依頼しなくても、自分で行うことができます。とはいえ、自分ですることのデメリットもいくつか存在しますので、そのことを踏まえて行うべきでしょう。場合によっては、自分でやってから失敗したと思って、改めて業者に依頼するような事態にもなってしまいます。
自分でカセットテープをデジタル化することの問題としては、音質が悪くなってしまうことが多い点が大きいです。たいていの人は、デジタル化のために新しいカセットテーププレーヤーを購入するのはもったいないと感じて、手元にある機器を使います。そうなると、結構古いプレーヤーであることが多いわけです。いくら努力しても、再生する音質そのものが低くて元の音源が良くないので、デジタル化したものを聞いても不明瞭になってしまうわけです。また、プレーヤーからの出力もあまり高精度でないため、再現性が悪いケースも見られます。

 

同じように、録音・保存する側の質が悪いこともあります。パソコンに取り込んでデジタル化しようとしたものの、音源の入力システムの質が低くて聞きづらくなってしまうことがあるのです。プレーヤーからパソコンなどにケーブル接続できず、スピーカーで再生したものを録音するというやり方だと、さらに音質が低下します。使用するマイクの品質が良くないとか、再生しているバックで、人が動いたり話したりする雑音が入ってしまうことが原因です。

 

音質の問題だけでなく、単純に手間と時間がかかるという点も考えるべきです。カセットテープのデジタル化をするには、当然テープを再生しないといけません。テープ1本あたり60分の音源が入っているのであれば、1本デジタル化するのに1時間かかってしまうわけです。大量にカセットテープがあるなら、その手間と時間は膨大なものとなってしまいます。デジタル化にパソコンやスマホを使うのであれば、その間ずっと使えない状態となります。仕事や私用でスマホを使いたいと思っても、作業が終了するまでは触れることができません。

 

手間という点では、デジタル化ならではの問題もあります。カセットテープからデジタル音源に移行した場合、それぞれのファイルの名前を付けなくてはいけません。そのため、テープの再生・録音という手間に加えて、ファイル名の変更という作業も、いちいち手作業で行うことになるのです。

 

個人用の機器ではうまく録音できないこともあるので、注意が必要です。というのも、カセットテープの音源を録音処理するのには、それなりの負荷がパソコンにかかってしまうからです。録音している間に、他の作業をしたりWindowsの更新が入ったりしてしまうと、途中で録音がストップしてしまうこともありますし、処理がうまくできずに、仕上がりを聞いてみると音飛びが発生する恐れもあります。スペックの高いパソコンであれば心配はいりませんが、こうした危険があることも覚えておきましょう。